避雷・電源制御版の製作

 
 リモート運用に欠かせないのが電源の制御。
 特にRS-BA1では下位のリグだと電源のコントロールができないので、外付けの電源制御は必須です。
 また、ロケーションの良いところへ設置する場合、雷の被害にあう確立が非常に高くなります。
 このためにアンテナはもちろんの事、電源も外部からのコントロールによって完全に切り離せる装置が必要になります。

 そこで今回作成した避雷兼電源制御板を紹介いたします。
1.スペック
  スペックとしては下記の様にしました。
  (1)切り離し部
   ・アンテナ系統:2
   ・ローテータ系統:1
   ・有線LAN系統:1
   ・電源系統:2(100・200V)、15A
    (1号機では100Vしか配線していません)

   外形:180x150x300
  
 (2)制御
   ・制御信号入力:無線LAN
    オプションでDTMF。
   ・制御はPIC-NIC ver2
   ・やろうと思えばローテータ制御も可能
(3)電源部
  ・入力:AC100V
  ・電源:ACアダプタ
    ルータおよびPIC-NIC系の12Vは
    耐雷用ACアダプタを使用。
    PC用は通常のもの。
  ・停電時にバックアップ電源を用意
    強制切り離し動作
    状況報告(電源が持つまで)
    バッテリー過放電防止回路付き
2.装置について
 ブロックダイアグラムは下記のとおりですが、基本的に切り離し後の空間・沿面距離は60mmMinとしています。
 これは実際に直雷を受けたある状況おいて、50mm以上離したところは被害が無かったという結果から、スペースとの関係も考慮して決めたもの
です。但し直雷はその時々によって状況が大きく変わりますので、これが絶対大丈夫と言うものではありません。(計算上は60KVなので、先に他の
ところが被害を受けそうな気がします。)

 特に気を使った点と言えば、コントローラ部は最後まで生き残ってほしいので、
  ・制御PCとは別とした。(さらに、万が一壊れても簡単に交換できるように安いマイクロPCを使用した。)
  ・ここだけは無線LANとし、電気的に切り離した。
  ・電源は耐雷用のACアダプタ(15KV)とした。
  ・筐体をはじめとする部品はなるべく金属は使わない。樹脂材料はできるだけ自己消化性の材料を使い、落雷時に備える。
 あとは、RS-BA1は電源のON/OFFができないので、電源ON/OFFを追加。(これだけでも4KVの耐雷性能を持ちます。)
 

ブロックダイアグラム
 
3.実際の避雷器の写真です。
  なかなか良いアングルがなくて、雰囲気ぐらいしか撮れませんが、2段構造となっていて、
 上段はコントロール部、下段が可動部となっています。(写真1、4)
  入出力は基本的に片方がアンテナ側、もう一方が室内側となっています。(写真3)

  これをDCモーターとギアで機械的に接続したり、切り離したりしています。(写真2)
  アンテナはNコネ、ロータ、電源はAMPとJSTのコネクタを改造して使っています。

  試作機のためにクリア塩ビ板を多用しておりますが、次号機からはベーク板主体にしよう
 と思っています。

  可動部に使ったレールはいろいろと試しました。小さいレールでは何回か使っているうち
 に芯がずれて入らなくなります。
  勘合状態は2箇所のセンサと、2箇所の圧力センサで判断しています。モーターにある程
 度のテンションがかかると破壊防止のために動作がとまります。
  接点のアーク防止のため、コネクタが外れかかると電源リレーを強制遮断します。

写真1上面から(下はサーバとして使っている
PC、上下黒い2つの箱は耐雷ACアダプター)

写真2 接続部

写真3 アンテナ側(リグ側は全てケーブル)


写真4 側 面
上側がコントロール部、
下段が可動部で可動用のレールが見えます 
4.その後
  Ver1.2.3と形を大きく変えて、現在はVer3.5でそろそろ完成形かなと思っています。
  本バージョンはモータが焼けると言う問題がありましたが、過放電対策を行った後は特に大きな問題も無く過ぎています。

  勘合箇所が複数あるので、タイミングが問題かなと思いましたが、結果的に本バージョンでは安定して動いているようです。(PC関係の方が
 大変だった!)

 
5.販売
  本避雷装置を販売します。
  今のところ手作りなので、価格は応相談です。興味のある方はTopページからメールでご連絡ください。
 
戻る